映画 忌怪島/きかいじま

呪怨、犬鳴村から始まる村シリーズで知られる清水崇が監督する作品、監督得意の村の因習や思わず目を背けたくなるような人の怖さを本作でも感じられて良い。メタバースについては序盤でもっともらしい説明はされるものの浅く、後々に関わらない設定となるので退屈だった。
笹野 高史演じるシゲ爺とイマジョの因縁について説明されてここから開発者ジェノサイドか?と思わせるものの不完全燃焼に終わらせられる。これはシゲ爺の復讐が果たせない不快感を感じさせる映画だったか…?メタバースをあの世と捉えてあの世と現世との比較に持ち込み映画が進行するにつれてあの世とこの世の境がわからなくなる演出は後から振り返ると細かく描写されていてやりたいことは分かる。

作品のオチとしては3つ • シゲルの復讐 • リンの自殺 • 友彦があの世に渡りイマジョを封印
友彦のオチが監督のやりたかったこととは思えず他も納得するためには描写不足を感じる。友彦があの世(メタバース)に行っても良いと思う願望があるからこそ最後の選択ができるはずなのだがそれは作品の途中で環から否定される。最終的に環が共有したい人となることで願望は達成されるのだが結果論であり人嫌いの友彦が仲間を救うために行動する違和感。
とにかくメタバースを扱いきれておらず監督の得意分野にである人/因習の怖さ持ち込もうとするも噛み合って無いように見える結果となったので面白い作品ではなかった。後から適度に考える余地が残っていて感想をわいわい言えるのでそういう意味では良作品。