映画 マイ・エレメント

最近映画にハマってて毎週のように見てる。今まで気にはなってたけど映画館遠いから見てなかった作品を全部見ていてマイ・エレメントもその一つ。 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー見た - なるはやで隠居も観たけどアメリカの3Dアニメーションすごいってなってこれも観たくなった。

アニメーションが素晴らしい

冒頭でエンバーがエレメントシティ内を配達するところはとにかく動いてる映像がすごくて圧倒された。世界観みたいなのを垣間見せてくれて奥行きを感じる。

ストーリー

正直ストーリーはまっすぐなラブロマンスと親子の確執解消なのであまり語ることがない。親の希望に答えたいけど答えられない子供ってのは自分にも重ねられるところあって感動するので親子で見る映画としてはうまいなぁと思うけど映画で涙涙の解決をされると「俺の問題は解決してないんだが?」とムッとなる。映画として不満はない。 主人公になんか特別な才能があって差別をまけない!って展開だったり、育ちの良さそうな白人イケメン捕まえて自分でコネクションゲットして自分でなんとかする辺りアメリカっぽい。日本の映画だと周囲が解決するかお上が解決してくれるか自分のマインド変換して精神的なところで解決するよね。

深掘りして欲しいところ

アニメーションの見映えの都合から火と水以外には焦点が当たらないのでそこはもったいないな~という気がする。これがハリーポッターならラブロマンスに集中するわけではなく世界観の描写にもうちょっと力入れてくれるよね。木と水のエレメント同士は相性いいから仲いいけど木と雲は実は仲が悪いわけでもないけど仲良くもないとか、移民時代のイザコザを老人たちは未だに引きずってるとか、エレメントシティの政治は貴族院衆議院の二院制で成り立ってるけど移民第一世代の水が貴族院を占めてるとか。

エレメントシティという名のアメリ

エレメントシティも最初から4つのエレメントが住んでるわけではなくて移民1世代目と2世代目が存在して徐々に種類が増えていったことが描写される。最後にエンバーの父親たちが移民として来るわけだけどここまで見て「あれ、これってアメリカ...?」ってなる。*1 エンバーの居住区がエレメントシティから橋を挟んで外側に作られてるところからも火のエレメントは後から移民としてやってきたもので都市としては歓迎されていない。*2これは作品の中でも何度も強調される。まぁディズニーとピクサーなんでそこら辺考えなくても見られるようになってるってところが文句ないけど。移民の食べる食い物がまずいとか水のエレメントであるウェイドの家族がエンバーに対して「標準語が上手なのね」と言ったりとか*3。妙に移民差別がリアルで途中からはこれ欧州・アメリカに3Dモデル被せてるやん、となる。

最後にTwitterで笑った感想を引用

要するにディズニーのターゲットがアメリカの良き中産階級の娘から移民候補の後進国女性に移りはじめたということですね。
リトル・マーメイドはアメリカへの留学や移民を勧める映画でしたね。後進国の保守的で頑固な家父長を無視し、悪いブローカーを使ってでもとにかく上陸しなさい、さすれば言葉が一切通じなくてもイケメンが勝手にトゥルーラブしてくれて、意地悪してきた白人女性とも戦えば勝てる。アメリカは素晴らしい

*1:正確には俺がイメージする"アメリカ"ではあるが、ディズニーが誰をターゲットにして映画を作っているかは正確には分からない。

*2:中世の都市も人が集まったところに城壁を作って内側に人が入れられない場合に城壁の外でもいいから住みたい人がでてきてすみ始める。城壁の外の人が増えるとその外側にもう一つ城壁を作り直して元あった城壁は道になる。火のエレメントはまだ城壁の中に住むことはできていない途中の世代。

*3:エンバーはエレメントシティで生まれ育っている二世なので標準語がうまいのは当たり前。