「リモートチームでうまくいく」から得られること
はじめに
大学で留学してシェアハウスで生活して以来、他人と生活すること、そしてなにより別の環境で生活することは人生の刺激になることを学びました。なので私も将来的にリモートワークで働きたいと考えています。
そこで社員全員がリモートワークで働いていることで有名なソニックガーデンの創業者、倉貫義人さんが執筆した「リモートチームでうまくいく」が将来リモートで働く上で参考になると思って読みました。
以下は自分にも活かせると考えた箇所と所感です。
まとめ
・本書の主題はチームとしてのリモートワーク
リモートワークを前提とするチームのことをリモートチームと呼ぶ。
・リモートワークでも"チーム"で働く意味
会社に所属することにはそれなりのメリットが有る。安定した仕事の供給、得意不得意による役割分担など、チームで切磋琢磨でき、時には利害を超えて助け合うことができる。
このチームとしてのメリットをリモートワークでも取り入れようとする取り組み。
確かにリモートワークで働くとコミュニケーション不足に陥り同じ社内の人間であるのも関わらず外注しているかのような距離感を感じる時があります。リモートワークと会社で働くことの間におけるメリット・デメリットはトレードオフではなく両立を目指すのがリモートチームの取り組み。
・「オフィスに居ること」が働くことではなくなった。
チャットがオンラインになっていることが仕事中という間隔に変わったので自然と働いている時間より成果が問われるようになる。ただし離れて働いていても仲間意識を保つことにはオフィスに出勤するよりも意識的な努力が必要。
全員がリモートワークで働くことによっていい意味で成果主義のチームになるのは想像できます。自分もフレックスタイム制で働いているが一日に定量的に成果を上げることは難しいので一週間、一ヶ月単位で成果を挙げられているかが求められます。
リモートワークで働いてると自分が働いているかは成果を出すことでしか保証できません。そこでセルフマネジメントできる人で構成されたチームなら良い循環が生まれます。
・リモートチームは欧米的な個人の成果主義よりも、古き良き日本の経営が求められている。
私達の目指しているワークスタイルはチームでの生産性を最大にすることである。
本書で一番響きました。部活動(吹奏楽)で上手く機能するチームと機能しないチームの両方を経験したことがあります。一人でも非協力的だった場合、全く曲が完成しないのが音楽の世界です。
部活をやりたい人間が集まっていてそれですから仕事でチーム全体で協力して成果を共有するという考えよりは個人成果主義でやっていくことが結果として上手く機能するものだと考えていました。しかし、本書全体を読んでしっかいした信頼関係による協力関係は可能なんだという思いにさせてもらえたので読んで良かったです。
・雑談を奨励する
リモートワークには気軽に話が始められるチャットツールが適している。相手の「存在感」を感じることができないので同じ場所に出社しているときのように話を始めることができない。
「存在感」と「雑談」で連帯感を生み出すことができる。
仕事で連帯感は必要か、そもそもここで意見が一定数分かれるように思います。仕事はあくまで仕事として割り切った人間感円形でやったほうがやりやすいという人がいるのも確かです。
肝心なのは連帯感を持ちたい人と必要ない人が一緒に仕事すると破綻してしまうということです。私はどちらかというと連帯感を持って仕事をしたい方なのでこの雑談を奨励するという考え方に賛同できました。
・一年に一回合宿を行う
インターネットを禁止して合宿を行う。普段話さないような自分の抱えてる夢について話し合うことで相手の人生についてより深く知ることができる。仲間について深く知ることで仕事でも助け合える関係を築くことができる。
最近のIT系の会社の風潮として「飲みニケーションは悪」だったり「サービス残業はできない」といったものがあります。もちろん今挙げたものは絶対にあってはならないものですがこれを更に拡大解釈して「会社の人間と深く関わる必要はない」とまで言い切る人までいます。
私はこういった割り切りは危険だと考えています。会社の仲間と友達には違う意味での「関係の深さ」があってあまりにドライに割り切ってしまうと仕事仲間としてやっていく上で大事な信頼関係まで損なわれると感じてしまうからです。
そういう意味でソニックガーデンさんがリモートチームとしてやっていくとしても1年に一回は合宿を行っているのは納得の行くものでした。
・リモートチームは信頼関係とセルフマネジメントでうまくいく
問題解決やクリエイティブなセンスが求められる仕事には従来の指示・命令形の管理スタイルは適さない。そもそも職業の種類としてセルフマネジメントできる人が適しており、自由な裁量で働いてもらったほうが生産性が上がる。
これはプログラマーという職業に対してよく世間でも話題になっている話ですね。私も実際に働き始めてからこの意味が理解できました。
プログラミングとは創作的な仕事で上司から指示をもらうにしてもざっくりとしています。基本的に質問するのではなく自分から「○○してもいいですか?」といった許可を求めていく形で仕事をしていくと自分でも決めています。
所感
最終章にはどうしてソニックガーデンという会社がリモートワークを始めるに至ったかのエピソードが書かれていました。
社員の一人が海外で働いてみたいと言ってみたのがきっかけで今の私と被るものがあります。冒頭でも書いたように海外で働きつつロングステイしてみたい夢があります。それを叶えるために今は勉強する日々ですがそれをこの本を読むことによってかなり自分が働いている姿を具体的にイメージすることができました。
今後も技術系ではないけどまとめると役に立ちそうだなといった本を読んだときはここにまとめたいと思います。
それでは!