書評まとめ 正義と微笑(太宰治)とか

正義と微笑

太宰治の小説。無料で公開されている。 俳優を目指す少年の日記を読む形式の物語。実際に太宰治の弟子に日記を記していた人物がおり題材にしたらしい。 文豪の文章を読むと毎回思うことだが現代の私たちが見ても問題なく読めて楽しめるという点に驚く。自分の数年前のブログですら「当時はこういう流行りがったな」という視点を入れて読まないと不自然な文章があるはずなので当時を全く知らない人でも物語の本筋を追える。これが良い文章というものであろう。 少年は憂鬱としているか楽観的なのか、日記なのでコロコロ感情が変わるがそれが素の感情のようで面白い。自分にも響いた言葉があるので引用する。

引用

真理の発見は必ずしも人に快楽を与えない。智慧の実は、にがいものだ。

自殺。けさは落ちついて、自殺を思った。ほんものの幻滅は、人間を全く 呆けさせるか、それとも自殺させるか、おそろしい魔物である。

善く 且つ高貴に行動する人間は 唯 だその事実だけに 拠っても不幸に耐え得るものだということを私は証拠立てたいと願う。

NOSQLの基礎知識 ビッグデータを活かすデータベース技術

仕事で必要で読んだ。NOSQLの基本思想が学べるのが良い。本自体はかなり古いので今から読むには飛ばしても良い細部もあった。 CAPなど重要な概念もNOSQLを通して学ぶことができる。

なるべく働きたくない人のためのお金の話

『年収90万円で東京ハッピーライフ』と同じ著者。以前はなぜいわゆるスローライフをしていたのか自分の経緯とともに語っていたので自著伝のような本だったが今回は以前からフォーカスをお金の話に移した。 本人は何度も「狙ってスローライフをしているのではない」ことを主張。当時は東京での生活に消耗しておりそこから逃げ出そうとした結果働く時間を少なくして余裕を取り戻したとのこと。スローライフブームも所詮は一過性のものに過ぎないので自分の生活を見つめないして検証しつつベストの距離感を模索していくことが大事とのこと。 他人からの評価をあてにして自分の行動を決定することは最終的に続かない。自分が行動を決定するとき「他人からの影響を受けて決定しているもの」なのかそれとも自らの思考で決定していることなのか、明確に区分することはできないが常に考えて選ぶ必要がある。

知の整理術

特筆すべきような内容はないが電子ツールでのメモと手書きのメモは明確に使い方を分けているのは参考になった。また、電子書籍と紙の書籍では脳の使っている箇所が違うことも参考になった。リラックスして読みたい場合は紙の書籍という話には根拠があったわけになる。

プシスファイラ

現在普及しているインターネットの機能がもしクジラに搭載されていたら、そしてその機能が自己の復元と自己の共有に使用されたらというSF。 プログラマーやってるので多少理解できたが本の内容はおそらく情報系の大学生が勉強するネットワークの内容をもとにしている?私で半分くらい理解できたくらいなので完全にIT系の人向けのSFである。 現在の科学技術の延長線上でいくつかのフィクション要素を入れる。これがSFの醍醐味であるがこの作品にはそれがある。ネットワーク系の機能が発展した未来。そしてその未来がどういった結末を迎えるのか、丁寧に描写されておりそういった要素を求める場合には良い。やや物語性に欠けるので情報系にさっぱりの人には厳しいだろう。

名称未設定ファイル

無料なので見たが携帯小説のようなSF短編集。暇つぶしにはなった。

脳にいいことだけをやりなさい!

成功例とよくわからん研究を20個くらい上げて洗脳する系の本。 茂木健一郎の訳書だがこの前の不登校Youtuberの擁護を見るところこの人とは思想が合わないから関わらない方が良さそう。ただこの本からも得られたことがある。著者がアメリカ出身だが向こうの文化圏ではキリスト教の思想が一般的なのでその思想を刺激する方法として「大いなる力」や「世界は自分を味方している」といったパワーワードを使いがち。これは仏教が語っている「諸行無常」の思想からは離れているように見えるが結局は「何が起きても環境のせいにして悩むのは時間の無駄だから解決に動け」といったことを説いている。これは宗教関係なく人間の性質を攻略する上で役にたつ情報なのだろう。幸せになるメソッドは同じだがそこに至るまでの過程の理由づけは色々な方法があって世界的にはこのような洗脳系が受けるみたい。

メモ

  • 自分の脳がどう評価するかによって幸せが決まる。幸せの値は変えようとしなければ一定の値になる。
  • 瞑想は科学的に効果あるらしい※(TODO 別の本読む)